2020年有力高校生の大学進路まとめ

24年 / 22年 / 21年 / 20年 /

奥井は帝京、伊藤大は早稲田に進む。

この世代を代表する選手といえば、大阪桐蔭高校の奥井章仁と桐蔭学園高校の伊藤大祐の二人である。
共に強豪高校で1年生からスタメンを獲得し、2年生で既にチームの主軸、3年生ではキャプテンでチームの絶対的存在であった。

奥井は三列目の選手。下級生の時はフランカー、最終年度はエイトのポジションでプレーした。分かっていても止められない突破力が魅力の選手である。
伊藤は、福岡県から桐蔭学園を進路先として選び、1年生はセンター、2年生はフルバック、3年生ではスタンドオフとバックスの中央のポジションを移動しつつ、レベルをあげていった。高い判断力、キック力、ラン力と総合的に優れた選手で、今年の花園では超高校級プレイヤーとして花園の単独初優勝の原動力となった。

大阪桐蔭高校と桐蔭学園高校は、過去3年連続で花園で対決しており、双方はポジションこそ違うもの同世代のトップ選手として意識するものがあるだろう。共に、帝京・早稲田という対抗戦の強豪校に進み、大学でも対決は続いていく。

帝京の三列目は、昨年はけが人もあるがやりくりに困っている状態。早稲田は、4年間スタンドオフのポジションを務めた岸岡智樹(現クボタ)が卒業したので、共に1年生からチームのキーマンになる可能性も少なくないだろう。

PRとLOが特に充実。大学随一の布陣の明治。

全国各地から24名の選手が入部した明治大学。高校日本代表の進路先としては、6名と最多である。

今年のフロップは豊作の年であるが、床田淳貴(桐蔭学園)、中山律希(天理)、為房慶次朗(常翔学園)と高校トップクラス3人が入部する。ロック陣は、高校日本代表の190cm超えの二名、山本嶺二郎(京都成章)と亀井茜風(長崎北陽台)に加えて、付属高校からは全国の舞台こそないものの昨年夏に2学年飛び級でU20日本代表に選出された松本光貴(明大中野八王子)が入部する。ラインアウトにおいて大きな武器になりそうだ。

スタンドオフのポジションでは、伊藤大祐と神奈川で競い合った池戸将太郎(東海大相模)が東海大学ではなく明治大学に進学する。1年次から全国の舞台を経験している伊藤耕太郎(國學院栃木)も明治大学へ進むため、来年以降、ポスト山沢のポジションを担う選手は豊富である。
スクラムハーフには、高校日本代表の大越勇気(茗溪学園)に加えて、大阪桐蔭高校で昨年花園優勝を経験している萩原周(大阪桐蔭)の実力者二名。センターには、廣瀬雄也(東福岡)。ウイングには、西川賢哉(桐蔭学園)と各ポジションで高校トップクラスの選手が明治大学に集う。

FWとBKのバランス、選手層も含めて明治大学が頭一つ抜けている存在である。

明治に続く帝京。江良、高本、山口らが入部。

高校日本代表の人数としては、明治大学の6名に続く5名が入学する帝京大学。各ポジションで多くのタレントが集まった時に比べれば、トーンダウンしているがそれでも充実した布陣である。

大阪桐蔭で奥井と共に中心選手であったフッカーの江良颯も帝京大学に進む。両者は今年の高校日本代表に加えて、昨年の高校日本代表に2年生ながら飛び級で選出されている。FW陣は大阪桐蔭の二選手も合わせて関西のトップ選手の入部が目立つ。フロップでは、御所実業の1番津村大志、京都成章の3番西野拓真。FWながらバックスのセンスも兼ね備える朝高の尹礼温。超高校級のFWが集まった京都成章でエイトを務めた延原秀飛らが帝京大学へ進む。
バックスの注目は、東福岡のトライゲッターである高本とむ、高校屈指のフルバックでセブンズでも活躍している長崎北陽台の山口泰輝の二名。両者、高校日本代表のメンバーである。

早慶と筑波の注目選手。山田は慶應に進む。

久々の大学選手権制した早稲田大学には、先に取り上げた伊藤大祐。東福岡からは川﨑太雅(PR)、永嶋仁(FL)の二人。長崎北陽台のセンター岡﨑颯馬らが加入する。

圧倒的なラン能力で注目を集めた報徳学園の山田響(FB)は、同校からの進学先としては珍しい慶應へ進む。花園での試合出場こそないものの、関東を代表する選手として注目を集めていた永山淳(SO/CTB)も慶應へ進む高校トップ選手の一人である。

筑波では、4年間スタメン務めた杉山優平(現東芝)が卒業したスクラムハーフのポジションに、白栄拓也(高鍋)と松井翔(東海大仰星)の全国レベルのハーフ二名が加入する。また、全国の舞台こそないものの年代別代表の常連である福岡高校の谷山隼大も筑波大へ進む。

東海は付属高校からトップ選手がやってくる。

全国の舞台は、一昨年のセブンズ(アシックスカップ)しかないが、世代屈指の留学生コンビとして注目されている東海大福岡の二選手はそのまま東海大へ進学。アフ・オフィナ(LO)とフィナウ・ポロメア(CTB)。双方共に今年の高校日本代表のメンバー。ポロメアは昨年も飛び級で高校日本代表に選ばれている。

1年次にフルバックとして、花園優勝を経験している谷口宜顕をはじめ、仰星からは高橋凛(PR)、武藤ゆらぎ(SO)、何松健太郎(CTB)ら全国クラスの選手が東海大学へ進学する。

御所のキーマンの二名、世代No.1スクラムクラッシャーが大東文化へ。

豊作のフロップ陣の中でもスクラムで圧倒的な力を持つのが、國學院栃木の藤倉大介である。スクラムの重要度が高校と大学では大きく変わるだけに、大学での活躍が楽しみな選手である。
花園準優勝の御所実業からは、高校トップクラスのスクラムハーフ稲葉聖馬、エイトの西林勇登と御所の中心選手が二名大東文化大学へ進学する。
190cm超えの大型ロック新屋快(大阪桐蔭)、秋田中央の二枚看板の佐藤亮吾小田嶋生吹らも注目である。

常翔,大阪桐蔭,東福岡などから有力選手が揃う同志社。

関西では同志社の充実ぶりが目につく。

まずは大阪桐蔭のバックス主軸の二名。判断力に優れたスタンドオフの嘉納一千と、高いラン能力が持ち味のフルバック芦塚仁。同じく大阪の常翔学園からは、高校日本代表のフロントロー山本敦輝と大型センターの岡野喬吾が同志社に進む。
東福岡からは、フロップの小西優治とナンバーエイトの西濱悠太と二名の全国レベルのフォワードが入部する。

無名選手が集う天理、新体制一年目の京産

天理大学は、付属高校からは前川風雅(CTB)や豊田祐樹(WTB)らが進学する。ただ、有力選手の付属高校から他大学への進学も目立つ。高知中央の留学生マナセ・ハビリや桐生第一の奥田北斗は花園でも活躍した名の知れた選手だが、今年も変わらず部員数は多いが現時点では全国的に名の知れた選手の入部は少ない。

長く続いた大西監督を後を継いだ伊藤新体制一年目の京産大。世代No.1の破壊力を持つヴェア・タモエフォラウ(札幌山の手)、京都成章のキャプテン三木皓正(FL)、東福岡の14番を背負った松岡大河らが入部する。

大学ではなく、トップリーグパナソニックへ進む。御所の島田

ラグビーは他のスポーツとは異なり、高校卒業後は、大学に進学するのが一般的だが、御所実業の島田彪雅はトップリーグパナソニックへ加入する。2年前に東福岡からパナソニックへ進んだ福井翔大に続く選択である。
今年の花園で、島田は、東海大仰星に入学したが退学して御所に入り直し、今年が高校4年目の一つ年上の選手として出場という経歴が紹介され注目を集めた。フロップながら、ハンドリング能力は高く、前進する質の高いキックを蹴れるなど、現代ラグビーを象徴するような何でもできる選手である。

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