2022年有力高校生の大学進路まとめ

24年 / 22年 / 21年 / 20年 /

京都産業大学が充実

まず今年の傾向として、近畿圏の選手が地元に残り関西リーグの各校へ進学する人数が例年より多い。関西へは、中国や九州の高校生の進学も多いので、関西大学リーグの各校が充実ぶりが目に付く。

その中でも、特に注目すべきは京都産業大学。関東も含めて最も成功したリクルーティングといっていい。明治大学に次ぐ陣容。

高校日本代表候補の進路先としては、明治についで二位となる8名。フロントローは、京都成章高校の1番猿渡翔眞京都工学院高校の3番板野春来という、地元の強豪両校のレギュラーフロップが揃う。ロックには、朝明高校北川叶羽。北川は、190cm近い大型ロック。
目黒学院高校からは規格外な留学生シオネ・ポルテレがくる。ポルテレは、3年次はFLとしては圧倒的な突破力を見せたが、それよりも2年生の時に見せたフロップとしてサイドを圧倒的なスピードで駆け抜けたシーンが印象的である。183cmとワールドレベルでは上背はないので、将来的なことも含めてどこのポジションかも注目である。

スタンドオフには、昨夏から新ルールとなった50:22を花園で数多く決めた東海大仰星高校吉本大悟。京産のラグビーでは、司令塔にはキック力求められるだけに、特に適材な人材といっていい。
バックスには、倉田渉小林修市という京都成章高校の中心バックス2名に、東福岡高校の13を務めた平山尚樹、決定力のある光泉高校奈須貴大といい選手が揃う。

どちらかと言えば、高校時代の実績はそこまでだが、厳しい練習を乗り越え大学で一花咲かせたい選手が多かったが、今年は高校時代から名をはせた選手が揃った。

天理大学

昨年までは、付属の天理高校以外では、全国的に知名度のある選手の進路先としては数少なかった天理大学ではあるが、今年は知名度のある選手が数多く揃う。

東福岡からは、世代屈指のペネトレーターである大西一平、スクラムハーフの朝倉達弥、フロップの森仁之輔と東福岡のスタメンが3名が天理へ進む。
石見智翠館から天理大に進む選手は多かったが、今年は高校日本代表候補4名を含めた6名が入部する。FBの上ノ坊駿介は、滞空距離の長いキックが持ち味である。

有力選手が天理高校から他大へ進学することも近年多かったが、今年は、大中穂高谷田親春樋口昇吾といった主軸が天理大へ進む。
高2で出場した花園でインパクトを残した新田高校のスピードスター小倉亮太も天理大へ進学する注目の選手である。

関西各校も充実

立命館

スクラムの強い國學院栃木高校の3番齋藤健太、圧倒的な突破力を見せる世代屈指のHOである大本峻士(常翔学園高校)。LOには、東福岡高校から甲斐匠馬。FLには小山虎汰朗(京都成章高校)。SHには、堀陽人(中部大春日丘])。3BKには、東海大仰星高校のトライゲッター御池蓮二に、東福岡高校武田幸大と各ポジションでトップクラスの選手が揃う。京産大にも匹敵する布陣である。

同志社

同志社も充実している。高1から京都成章高校でスタメンを務め、最終学年では司令塔として抜群の判断力を見せた大島泰真。成章からは、大島の他に長島幸汰コーエンモーガン谷内亮太と4名が同志社に進む。
東海大仰星からは、身体能力に優れたスクラムハーフの石田太陽。大阪桐蔭からは、強いナンバーエイトの林慶音とスタンドオフの長田壮平。常翔学園からは、1番の笛木健太とセンターの岩本総司。大阪の強豪3校からの進学が今年も続く。天理高校からは久々となる立川和樹(CTB)、報徳のスピードスター桃田涼平と近畿圏の有力選手が多数同志社に集まった。

関西学院大学には、東海大仰星の中俊一朗、石見智翠館の池田蒼威らに、付属高校からは、武藤航生立巳竜の介が進学する。
関西大学は、常翔学園高校の大型LOの中村豪に、タックルに強みを見せる仰星の奥平一磨呂、東福岡の大外のトライゲッターの遠藤亮真らが進学する。
近畿大学には、197cm注目の無名大型LO能勢涼太郎(川西北陵)や弓部智希(石見智翠館)らが進学する。

今年も全国からトップ選手が揃う明治大学

高校日本代表の進路先としては、最多の13人。今年も全国各地から、高校を代表する選手が明治大へ進学する。

1列目には、大阪の強豪校の1番(伊藤潤乃助),3番(富田陸)に加え東福岡の強いフィジカルを持つ西野帆平。LOには、長身190cmの井上茉紗樹(佐賀工)に、1年生から強豪校で花園に出場している楠田知己(仰星)と小椋健介(桐蔭学園)。バックローでは、接点の強い最上太尊(仙台育英)と利川桐生(大阪桐蔭)と、1列目から3列目まで全国FWのトップ選手がバランスよく集った。

バックスでは、SOとCTBの中央ラインが特に充実している。昨年はWTBとFBが充実していたので、バランスが取れている。
スタンドオフには、一年から常翔で10番をつける仲間航太、センターでもプレーした流経の蓬田雄、北海道からはゲームコントロール力に非でた川村心馬と優れたスタンドオフが三人加入する。センターには、平翔太東海隼という飛び級でU20日本代表候補に選出された二人に報徳のキャプテン山村和也と豪華なメンバーである。

筑波大学に注目

3名のU20日本代表候補を含む、5名の高校日本代表候補が進学する筑波大学。近年で最も充実した布陣である。茗溪学園高校高橋佑太朗はパスワーク・判断力と総合的に優れた世代屈指のスクラムハーフ。東福岡高校からは、スキルフルなスタンドオフの楢本幹志朗と、ラン能力に優れたNo.8の茨木颯の二名。1年生から花園を湧かせた春日丘のトライゲッターの小池陽翔に、桐蔭学園のHOの門脇遼介といいメンバーが揃った。

早稲田には二人の大型バックス

野中健吾(東海大仰星)は、FLのようなCTB。激しいタックルに優れたボールキャリー能力、そして花園では正確なプレスキッカーとして優勝に大きく貢献した。
福島秀法(修猷館高校)は、同じ県に東福岡がいるので、全国とは無縁だったが、下級生の頃から名は知られていた選手。どちらかといえば重量系のBK。早稲田のエイトは、ボール持って走れるタイプが多いので、WTB/FBだけではなくてエイトという可能性もある選手。3年次は怪我で満足にプレーしている中継映像はなく、まずはどんな選手なのかも含めて凄く期待される選手である。

帝京にかつての面影なし。

長きにわたり明治に匹敵、いやそれ以上のタレントが揃った帝京大であったが、今年は異なる。高校日本代表候補の進路先としては4名と少数。

注目は長崎北陽台の司令塔大町佳生。自分で仕掛けられるラン能力に優れたキック力とこの世代を代表するスタンドオフ。
BKのセンターラインだけは、本山泰士(長崎北陽台)、河村ノエル(大阪桐蔭)、生田弦己(御所実)、細川塁(流経大柏)、日隈太陽(大分東明)といいメンバーが揃う。

帝京と言えばFWだが、FWの加入選手で全国的トップレベルとして名前があがるのは、蔵森晟(東福岡)ぐらいである。高校時代は無名で、帝京大学で花咲かす選手も多々いるので、そういった選手の登場に期待が集まる。

薄田や川久保らが東海大学へ

この世代No.1選手は、東海大仰星の薄田周希(FL,No.8)。素晴らしいタックル、そして強い体を活かしたボールキャリーで仰星の花園優勝に大きく貢献した。1年時からスタメンを務め、最終学年ではキャプテンとして大所帯のチームを率いた。東海大学へ進学する。薄田と共に仰星からは、花園でジャッカルの後の笑顔が印象的だったHOの垣田基樹や、LOの大原功泰らが東海大学へ進む。

川久保瑛斗(SH)は、中学時代からセブンズユースアカデミー呼ばれている逸材。小柄だが、体の芯は強く、また圧倒的なスピードをもち自分で仕掛けられるハーフである。

リーグ戦各校の注目選手

関東学院大学には創部初となる留学生選手ティポアイールーテル・ラリーが加入する。192cmという身長で、ボールキャリーとして優れた選手だが、高校時代はスタンドオフとしてゲームコントロールもできる万能な選手。倉敷高校という創部間もなくそこまで強くないチームなので、絶対的な存在であったが、大学ラグビーではどういった役割でプレーするかも注目である。1年生から大きな活躍が期待される選手。

法政大学には、強いボールキャリーができる宮下晃毅(報徳学園)、桐蔭のパスワークに優れた小山田裕悟(SH)、花園で一番ブレイクした選手といっていい攻守に貢献できる国栃の田中大誠らに注目。

24年 / 22年 / 21年 / 20年 /