2019年有力高校生の大学進路まとめ
充実の明治大学
22年ぶりに大学選手権を制覇した明治大学には、全国各地の高校からトップレベルの選手たちが多数入部。
その陣容は、まさに大学屈指のスケールを誇ります。
中でも特に注目されるのが、常翔学園の石田吉平です。
小柄ながら、スピード・フィジカル・ステップワークすべてにおいて高い能力を持ち、ランスキルは群を抜いています。
特にセブンズでの活躍が目立ち、2021年3月には、世代別ではないフル代表として7人制日本代表デビューも果たしました。
高校時代は主にNo.8としてプレーしていましたが、15人制の大学ラグビーではどのポジションで起用されるかが注目されます。
セブンズ・15人制の両方で、今後の飛躍が期待される選手です。
FW
フロントローには、流経大柏高校を初の花園ベスト4へと導いたキャプテン葛西拓斗、世代No.1フッカーと称される紀伊遼平(桐蔭学園)を筆頭に、中村公星(國學院栃木)、鈴木玲央(黒沢尻北)、大賀宗志(報徳学園)といった実力派が揃います。
このうち2名は高校日本代表に選出されており、代表候補も含めると5名が明治のフロントローに加わることになります。
セカンドロー/バックローでは、強さとスピードを兼ね備えた、世代No.1ロック武内慎(石見智翠館)が特に注目されます。
武内は、今年だけでなく昨年も高校2年生ながら高校日本代表として遠征を経験しており、将来性も非常に高い選手です。
また、同じく高校日本代表に選ばれた楢崎海人(筑紫高校)も明治大学に進学します。
BK
バックスでは、1年生から報徳学園で花園を経験したSH(スクラムハーフ)丸尾祐資、
桐生第一高校を初の花園出場へ導いたSO(スタンドオフ)齊藤誉哉、
東福岡高校の実力派BK原口虎太郎らが明治大学に進学します。
今年の明治大学新入生においては、ネームバリューや注目度という点でFW陣にやや重点が置かれており、BK陣よりもFWの層の厚さに注目が集まっています。
中央に好選手が集まる帝京大学
明治大学に匹敵する戦力を擁するのが帝京大学です。
高校日本代表の人数では、明治大学の5名を上回る6名が帝京大学に進学しており、全国屈指の陣容を誇ります。
初の花園優勝を果たした大阪桐蔭の中心選手、CTB(センター)の二枚看板松山千大・高本幹也はそろって帝京大学へ進学。
高本は高校3年時にSO(スタンドオフ)からインサイドCTBにポジションを移しましたが、大学では再びSOとしての起用が予想されます。
さらに、この世代No.1バックスとされる李承信(大阪朝高)も帝京へ進学。
これにより、大阪のトップレベルのCTB3人が帝京に集結する形となります。
SH(スクラムハーフ)には、中部大春日丘の岡本泰斉、京都成章の片岡祐二、常翔学園の前田翔哉と、いずれも下級生から花園を経験してきた実力者が加入。
また、昨年のユースオリンピックメンバーで、世代No.1ランナーと呼ばれる二村莞司(京都成章)も帝京に加わります。
FWでは、東福岡高校のフッカー福井翔と、長崎北陽台高校でNo.8を務めた山添圭祐が帝京大学へ進学。
両選手とも高校日本代表であり、いずれも高校時代に主将を務めていました。
今年の帝京大学新入生に関しては、FWよりもBK陣に注目が集まる、明治大学とは対照的な構成と言えるでしょう。
BKは随一の早稲田大学
世代No.1のSH(スクラムハーフ)小西泰聖(桐蔭学園)は、同校の先輩齋藤直人も活躍する早稲田大学へ進学。
東福岡高校で1年時から花園に出場している吉村紘、國學院久我山の中心選手で高校日本代表でもある槇瑛人、関東学院六浦のプレーメイカー松下怜央と、全国トップクラスのBK陣が早稲田に揃いました。
また、久々に花園出場を果たした早稲田実業からは、FB(フルバック)小泉怜史とFL(フランカー)相良昌彦が早稲田大学へ進学。
バックス陣に比べると、FW(フォワード)は選手層・実力ともにやや不安が残る構成となっています。
慶應義塾大学・筑波大学
慶應義塾大学には、花園準優勝を果たした桐蔭学園からWTB(ウイング)佐々木隼とLO(ロック)今野勇久の2名が進学。
さらに、世代No.1スタンドオフと評される中楠一期(國學院久我山)も慶應に進み、注目を集めています。
筑波大学には、東福岡から高校日本代表のPR(プロップ)木原優作が加入。
LOには、高校日本代表候補の工藤壮太(國學院久我山)と八木澤龍翔(流経大柏)が進学します。
また、茗溪学園からはユースオリンピック代表にも選ばれたラン力に定評のある植村陽彦が加入し、戦力を支えます。
リーグ戦グループの注目校
大所帯で知られる東海大学には、付属校を含め全国各地から多くの選手が加入します。
桐蔭学園の伊藤峻祐、石見智翠館の佐藤友亮、東福岡の宝田悠介など、花園で活躍した実力者も入学しますが、全体としては知名度の高い新入生は例年に比べて少なめの印象です。
大東文化大学では、2年連続で御所実業から加入した南昂伸・朝倉健裕が1年次から活躍中。今年は、SOまたはCTBとしてプレーする青木拓己に注目が集まります。
流通経済大学には、花園初のベスト4に輝いた付属・流経大柏高校から星野竜輝、土居大吾、柳田翔吾、永山大地の4名が進学。
さらに、札幌山の手高校で1年時から花園を経験し、高校日本代表にも選ばれたシンクル寛造も進学し、注目を集めています。
日本大学には、佐賀工業の重量級WTB(ウイング)水間夢翔、沖縄の実力者石川留依(美里)、普久原琉(コザ)らが加入。
同大学も例年通り大所帯で、多様な選手が集まるチーム構成となっています。
そのほかリーグ戦所属校では、法政大学に吉永昂生(東福岡)、南部翔大(京都成章)が進学。
中央大学には、超高校級のキック力を持つ津田貫汰をはじめ、桐蔭学園から鈴木康平、西山周作の3名が加入。
また、佐野日大のランナー杉本崇馬も中央大学に進学します。
専修大学には、東福岡から高校日本代表のSH(スクラムハーフ)友池瞭汰が進学し、チームを牽引します。
天理大学
花園ベスト8の天理高校からは、照井悠一郎、山村勝悟、津野来真らのメンバーが天理大学へ進学します。
また、秋田工業の留学生ナイバルワガセタ、東海大仰星の堀田恒司なども加わります。
ここ数年、大所帯となっている天理大学には、今年も多くの新入生が加入しますが、全国的に名前の知られた選手は少数派となっています。
関西では京都産業大学と近畿大学が充実
京都産業大学には、この世代を代表するFW(フォワード)福西隼杜(報徳学園)、アサエリ・ラウシー(日本航空石川)が加入。
また、花園優勝校・大阪桐蔭からNo.8の堤田京太郎が進学します。
BK(バックス)では、流経大柏で高いキック力を見せた家村健太、東福岡のフルバック竹下拓己が注目選手として名を連ねます。
高校日本代表候補の進学先として、明治大学・帝京大学に続くのが近畿大学です。
大阪桐蔭からは、WTB(ウイング)の三島琳久が進学。
LO(ロック)には石見智翠館の甲斐登生、PR(プロップ)には中部大春日丘の池田真人が加わります。
さらに、1年時に光泉高校で花園を経験したSO(スタンドオフ)今村龍仁、2年時から報徳学園の正SOとして活躍した森元翔紀も加わり、ポジションごとに実力者が揃っています。